SPECIAL特 集

STYLE DREAM

post-staff

スタッフトーキング at 一風堂

2020年10月8日

一風堂 札幌麻生店 店長 今さん

前職は居酒屋のホールで働かれていたんですよね?

15年前までは居酒屋のホールで働いていました。接客は好きでしたし、学ぶことも多かったんですけど、せっかくなら好きなことを仕事にしてみたいと思うようになって。そしたらラーメンだろうと!!一風堂というラーメン屋さんはもちろん当時から知っていたので、極めるなら有名店で働いてみたいという好奇心もあり、まずはアルバイトとして面接を受けて入社することになりました。ラーメンの製造を経験していく中で、コツコツと何かをやることや極めていくという過程の面白さに、どんどんのめり込んでいきました。

のめり込んでいったのはどんなことですか?

入社してから、スープやチャーシューを製造する作業を5年ほど経験したんですが、これが本当にワクワクしてたまらなかったんですよ。スープは一人で15〜18時間ほど向き合って作るのですが、同じ水、材料、レシピで作っても毎回違うんです。そりゃそうですよね、骨だって確かに個体差がある。でも味がぶれることがないように、火入れなどを調整するのが僕らの役目だからこそ面白んです。年数が経つと、味を決める作業も任せてもらうことができるようになって一風堂の味を守る一員として働けていることを誇りに思うようになりました。

一風堂は全国にありますが、北海道は独自の工場があるということですか?

そうなんです。一風堂には、独自の「暖簾分け制度」があって、国内の一風堂のうち22店舗が暖簾分けの店舗で、STAY DREAM代表の篠原は暖簾分け店主会の会長も務めています。一風堂の芯となる部分をしっかりと受け継ぎながら、さらに独自のスタイルで暖簾に磨きをかけ続けています。なので、一風堂全店がすべて同じ工場でスープや麺、チャーシューなどを作っているというわけではないんです。保守的にならず、常においしくするためにできることを模索し続け、挑戦する姿勢をそれぞれに持ちながら切磋琢磨しているのが一風堂であり、STAY DREAMらしさとも言えると思います。

それは知りませんでした。守りながら攻めるって大変ですね。

「変わらないために、変わり続ける」ということを入社した頃から教えてもらってきました。最初は、深く理解できていなかったかもしれませんが、今は本当にそうだなと思います。時代は気づかないうちにどんどん変わっていくから、周りを見渡すと確かに変わっていないものっていつしか古くなっていたりしますよね。気の緩みや慣れによって時代や嗜好に置いていかれているというか。変わらず流行っているものとか、愛されているものは、常に少しずつ変化しているんだと思います。慢心せずに、一風堂に対する期待を超えていきたいですね。

アルバイトの頃は、代表の篠原さんが店長だったんですよね?

はい!厳しい人でしたが、あの頃に店長とアルバイトという関係で働けたからこそ、今の自分がいると思います。ラーメンに関することももちろんですが、生き方も教えてもらいました。例えば、当時スープを作っていたときだったか、「このくらいでいいですかね?」みたいな会話をしたんですよね。そしたら「そんな妥協するな!この味がいいというところまで挑戦したのか!」とすごく叱られた記憶があります。どこか慣れてしまっていた自分がいたからこそかけてくれた言葉だった気がします。それから何年かが経って、札幌狸小路店がSTAY DREAMに暖簾分けするとなったタイミングで、また篠原さんから声をかけてもらって社員になりました。立ち止まらない姿勢は、ずっと変わらない。僕は、刺激をもらい続けています。

先ほど「進化を続けている」というお話がありましたが具体的には?

メニューで言うと、「赤丸」「白丸」ですね。一風堂の核となる商品ですが、大胆な味のリニューアルを三回ほど行っています。普通の人が食べてわかるくらい味が変わっているんですが、ネガティブな意見はあまり聞こえてこず、ずっと支持され続けているんです。それは、「おいしくするために改良している」という自信が僕らにあるからだとも思います。売れなくなったらどうしようとかはなくて、おいしくなっているからこそ、もっと食べてもらいたいという気持ちでラーメンを作っているんです。

先ほどから見ていてもすごく丁寧な接客をされていますよね。

ありがとうございます。お客様が来てくれることって、当たり前じゃないんですよね。それを今までで一番感じたのは、東日本大震災や北海道胆振東部地震のときでした。ある日、世の中が止まってしまったかというくらいお客様が来ない日が続いたんです。そのときに、ラーメンを食べに来てくれた人が、また絶対に来てくれるようにしたいという思いが強くなりました。ここ最近の新型コロナウイルスのこともそうですよね。お客様に選ばれ続けるためには、毎日毎日が勝負だと思っています。

 

働く上で気をつけていることはありますか?

常にお客様はキッチンを見ていると思うので、衛生面、所作、接客態度、声のトーンなどを自分だけではなく、スタッフみんなで気をつけるようにしています。札幌麻生店はオープンキッチンなので、カウンターのお客様は特に気になると思います。レジを使ったら必ず手を洗って消毒することは当たり前ですが、一回でも抜けたら信用を失うことになってしまう。だからこそ当たり前を定着させるということに取り組んでいます。

最後に一言ありますか?

外食はワクワクする楽しい時間であってほしいので、そのためにはスタッフが元気で活気がないといけないと思います。そして、「ダストボックスに残るものはお客様の答え」だと思うので真摯に受け止めながら、また来たいと思っていただけるお店づくりをしていきたいと思います。